春夏秋冬代行者 春の舞、アニメ第一話によせて

アニメ化の喜びを綴って、早一年。
思えばあの頃、桜はもう咲いていて、あるいは散り始めてしまっていたような気もしますが、
今は温かな陽気が顔を出し始め、日当たりの良い枝には淡い花弁が散見される頃合い。
まさしく、春の芽吹きを感じる季節に、春夏秋冬代行者、アニメ第一話、公開と相成りました。
いやはや、待ってた待ってた。この一年で何回原作を読み返したことか。もちろん早速見てきましたとも。

やはり、声がつく、というのは良いものだとつくづく思いますね。
既出のPVで既に聞いてはいましたが、こうしてきちんとお話の中で声を聞くと、第一印象以上に素晴らしく思えます。
まずは雛菊さまの、たどたどしくも愛らしさを感じさせる言葉の紡ぎ方。原作文章では句点が多く入る形で描写されているわけですが、
こうして耳で聞くと、一言一言を頑張って、かつ大事に言葉を紡いでいるように感じました。その独特なリズムが心地よくすらありましたね。柔らかな声色もそれを後押しします。
原作の表現を引用するなら、”透き通った砂糖菓子のような声”。なるほど、こういう声を砂糖菓子のようなというのか……と唸るしかありません。
それから、さくらのよく通る凛々しい声色。たいへんかっこいい。元々女性声優さんの低めな声の演技が好き、という個人的な趣向もあるんですが、まっすぐ明朗に耳に届く声がとてもさくららしい。その凛々しさの表現はもちろん、特にこの頃で顕著なさくらの不安定さ、危うさといいますか、傷だらけの真剣が抜き身のままでその刃をギラつかせているような状態が伝わってくるのが本当に素晴らしいと思います。初っ端の冬に対しての「大嫌いです」の唾棄するような言い方、過去の自分に対しての引きつるような声色の「殺してやりたい」、かなりクるものがあります。あのドス黒さが、特に春の舞におけるさくらにはつきまとうものでしたし。
でもって、雛菊さまに対して一瞬にして明るい声色になるといいますか、ドーベルマンとゴールデンレトリバーを行き来するような変わり身ぶりが、あぁうんさくらだこれ、と頷くばかり。
春主従、どちらも素晴らしいという他ないお声でした。さっそく脳内ライブラリの音声が更新されましたね。この声でまた原作が読みたい。

もちろん、アニメとなったからには映像も重要なわけですが、こちらも素敵でございました。
題材が題材なだけに、背景、特に自然の風景には殊更力が入っているように感じました。静止画として観賞できますねこれ。枝の雪の乗り方とか、氷柱の書き方とか。まるで絵の具を乗せているかのような書き方がたいへん好みです。作画班の負担以外に心配するものが何も無い。ぜひ、このクオリティのまま四季を描ききってもらいたいところ。

それから、個人的にはたいへん期待していた四季歌。春を顕現させるシーンですね。
あの音色をね、知りたかったんです、ずっと。文字で読みながら、いったいどのように歌っているのだろう、メロディは?リズムは?抑揚や呼吸は?といろいろ想像したものです。
その答えを、ようやく得ることができました。
いやはや、その語尾の抑揚は全く予想外だった……!と膝を打つ思いです。なんですかあれ、めちゃくちゃ最高じゃないですか!?
厳かで、神聖で、きれいで、美しくて……あぁもう、なんて表現したらいいのやら。
正直リピートが止まりません。この記事を書きながら、既に7回ほど聞いています。音源化まだですか。サントラですか?サントラ待てばいいんですか?
で、それに合わせた映像もこれまた素敵で、文字通りの春の顕現、世界を塗り替える様がありありと描写されていて。
初手に宙に散った雪が、緑が芽吹くと同時に水滴に変じて、咲き誇る春に雨のように降り注ぐとか、あれ誰が思いついたんですか。天才ですか。紛うことなき天才ですね。脱帽です。降参です。こんなにも原作読み返しているのに、一回もそんな光景想像したことがなかった。悔しさすら感じます。
雛菊さまの流し目から、扇一閃で桜開花、のフィナーレも最高に美しかった。PVでもありましたけれど、四季歌が乗ると神々しさ割増しというか、倍増というか、むしろ累乗というか。
これは、他の四季歌にも期待が持てます。高まりすぎて自分の中のハードルが上がってしまっているのが怖いくらいです。
おそらく次は冬の四季歌が拝聴できると思うのですが、あのシーンすごく好きなんですよね……もしや第二話で早くも実現しちゃったりしますか?歌はもちろん、映像美にも期待しちゃいますよ?
夏の小気味よく韻を踏む四季歌も、古い童謡のような秋の四季歌も、まだまだ先ですが期待して待ちましょう。

あとは……そうそう。
籠から「やぁー」と顔を出す雛菊さま、いとうつくし。イメージ映像ですけれども。赤面する雛菊さまも同じくうつくし。
あれ、原作だとさらっと一文か二文くらいの描写だったと思うんですけれど、それをあんなにも愛らしい一コマにしてくれるだなんて。
ああいう短いやり取りで好きなシーンはたくさんあるので、今後どこをピックアップしてくれるのか、楽しみです。

……と、思いつくまま書き連ねてきたわけですが。
総括すると、待った甲斐がありました本当にありがとうございます、で終わってしまいますね。
期待と不安は表裏一体、大好きな作品だからこそ、そのアニメ化は心から喜ばしいと共に、僅かな不安も顔を出すわけですが、
今回はそんなものは杞憂と思って良さそうです。
強いて言うのであれば、第一話、これ原作未読勢は情報処理するの大変だろうなぁ、とは思いましたが。世界観や設定のあれこれとか、雛菊さまとさくらのこれまでとか、わからないことばかりでしょうし。とはいえ、今後話数を重ねて、そのあたりを把握したうえでもう一度第一話に立ち返る、という見方ができるということでもありますから、一長一短ではありますか。
あの二人の物語は、春を顕現させたあの瞬間にスタートラインに立ったのだということが、きっとわかるはずですから。

次は第二話、名残雪。楽しみです。
また頑張って感想書こうと思います。

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