ちょっとわかる?春夏秋冬代行者

 先日の記事で、情報整理大変そうだよね⋯⋯などと書いてしまったので、解説記事でも書いてみようかと思います。
 最も、たかが一ファンに過ぎない私が“解説”だなんておこがましいと思うので、内容的には簡潔に、このあたり抑えておけば、
今回の第一話とか、これからの話がちょっとは頭に入りやすく鳴るんじゃないかなぁ?という話を5つほど書いてみようかと。
 先のネタバレはしないようにするつもりですが、匂わせというか、示唆するようなものはあると思うので、そのあたりもNGな人はお気をつけて。

1,“四季の代行者”ってなに?

 春夏秋冬を巡らせる者、それが四季の代行者です。神様の仕事を代行するから、代行者なわけですね。

 その経緯については、第一話の終わりの方で春夏秋冬の代行者様方や護衛官たちの声で語られていましたが、あの物語というか、神話がそのまま答えになるでしょう。
 詩文の一節が如きその見事な語り口はぜひとも原作を読んでもらうとして、ここではカジュアルに、もっといえば情緒もへったくれもない感じでざっくりまとめてみます。

① 最初、世界には冬しかなかったよ。
② 寂しかった冬は、自分の生命を削って春を作ったよ。
③ 春は自分を創ってくれた冬を師と慕い、冬もそれに応えて愛おしく思っていたよ。
④ でも、春に命が生まれたと思ったら冬にすぐ凍りついてしまうから、大地が悲鳴を上げたよ。春を知ってしまったからこそ冬が辛いと言われたよ。
⑤ あんまりな言い分に冬は悲しんだけれど、それならばとまた生命を削って夏と秋を生み出したよ。暑い夏は大地への意趣返し、生命の死が始まる秋は再び自分を受け入れてもらうための準備としたよ。
⑥ 大地が受け入れたので、四季はそれぞれの背中を追いかけて世界を巡り、4つの季節が巡るようになったよ。
⑦ でも、春と冬はお互いを愛し合っていて、二人だけの時間を恋しく思っていたよ。
⑧ それに気付いていた夏と秋は、自分たちの役割を他の誰かに任せてみては?、と提案したよ。
⑨ いくつかの生き物に任せてみたけれどうまくいかなかったよ。最後に人が申し出て、大地の豊穣と安寧をお願いする代わりに役割を引き受けたよ。
⑩ 四季は人の一部に力を与えて、代行者が生まれたよ。そして冬は永遠に春を愛せるようになったのでした、めでたしだね!

と、言う感じ。
 原作から引用して曰く、“世界の創世は、国によって違うものだが季節のあり方と朝と夜のあり方だけは共通している。”とのこと。つまり、他の国、あるいは地域に、それぞれその場所の四季の代行者がいます。雛菊さまは、大和、と呼ばれる国の春の代行者さまなわけですね。

 それから、引用文を見て、ん?となった方もいるかも知れませんが、実は朝と夜に関する代行者も存在します。空に矢を放ち天蓋を切り裂く“かんなぎの射手”、朝を齎す“暁の射手”さまと夜を齎す“黄昏の射手”さまです。このお二人は、今回の春の舞ではご登場なされませんが、原作では次巻に当たる夏の舞にて、黄昏の射手さまが物語に深く関わってきます。黄昏の射手さま、すごーく好きなんですが、今回は断腸の思いで割愛しますね……

2,四季の代行者の役割って?

 それぞれの季節を呼ぶこと、という答えは既に出ていますが、もう少し詳しく説明していきましょう。

 第一話で、雛菊さまは見事、春の顕現を果たされた訳ですが、実はまだお役目は終わっておりません。あの時点では、大和という国の、竜宮、という地域に春を呼ばれたに過ぎませんので、他の地域でも春の顕現を行っていくことになります。

 ここで、少し話題は変わりますが、簡単に“大和”という国のことも話しておきましょう。東の海にて、大和列島と呼ばれる島々でできた国、それが大和です。島々は大きく5つに分かれており、北から順に、自然資源が豊富で国の食料庫でもあるエニシ、首都の帝都と空港を擁する帝州ていしゅう、温泉郡が有名な衣世いよ、歴史的に名高い山々や建物が多い創紫つくし、他の島とは異なる生態系を有する温暖な竜宮りゅうぐう、となっています。
 ですので雛菊さまは、これから創紫、伊予、帝州、エニシと順に巡って、それぞれの地域で春を齎していきます。四季歌を歌い、舞踊を奉納し、その力で春を呼ぶのです。まだまだ、始まったばかりというわけですね。

 なお、本来ならば、四季庁しきちょうという機関が存在して、代行者の季節を顕現させる旅を補佐するのですが、今回、雛菊さまとさくらは、竜宮での春の顕現においては二人だけで行動しています。さくらが電話で激怒しているシーンがありましたが、あれは理由の一端というか、溜まりに溜まったものが爆発したというか。まぁ、あれは怒るでしょうよ、としか言えません。デリカシーがない。本当に。

3,四季の代行者はどんな力を持っているの?

 第一話、雛菊さまは、道中で出会った少女、薺に力の一端をお見せしていました。手のひらで、植物の種を芽吹かせ、花を咲かせていましたね。

 あれは、春の代行者さまの持つ力。『生命促進』、と呼ばれています。季節を齎すために四季の神々から授けられている能力であり、四季歌と舞踊はこの力を広範囲に齎すための儀式、と思って貰えればよいかと。
 同様に、他の季節の代行者の方々も、それぞれの季節の神から力を授けられていますので、4つ纏めてみましょう。

 春の代行者……『生命促進』
 夏の代行者……『生命使役』
 秋の代行者……『生命腐敗』
 冬の代行者……『生命凍結』

 それぞれの力がどういうものなのかは、今後のお話を見てからのお楽しみ、ということで。

4,護衛官って何する人?

 雛菊さまの側に侍る少女、さくら。彼女は雛菊さまの従者であり、護衛官と呼ばれています。役割は、その名の通り代行者を守ること。それから、身の回りもお世話もしていますね。雛菊さまのお召し物、あれはさくらが選んでいますよ。素晴らしい。


 さて、代行者を守るのが護衛官の役目と言いましたが、守るのはそのお体だけではありません。むしろそれ以上に、代行者の心を守る、精神安定の役割のほうが強い、とされています。
 というのも、代行者は、心で季節を顕現させる、と言われています。心の在りようが力の行使にダイレクトに関わってくるのです。その例が、第一話の竜宮のありようです。少し今後の展開に触れる話でもありますが、本来ならば一年を通して温暖なはずの場所が、あそこまで雪に覆われ凍てついていたのは、冬の代行者の心が酷く乱れていたからだとされています。
 そして何より、神の力を授かった代行者は、人としての心を失ってしまえば、そのあり方は神に寄っていってしまうのです。

 故に、護衛官は、主に寄り添い、その心を守る。自分の支えとなる従者に、主である代行者は執着にも似た感情を抱いて強く求め、従者もまた、そうされることに喜びを感じる——のだとか。雛菊さまとさくらの仲睦まじさは、そういう主と従者の一面もあったりします。もちろん、それだけが理由でもないですけれどね。

5,代行者はどうやって決めるの?

 最後に、この話もしておきましょうか。
 季節を巡らせる代行者。それは、どうやって決まるのでしょうか。

 答えは、ある意味わかりやすい。神様が、決めるのです。

 大和には、季節それぞれで“里”と呼ばれる場所があります。最初に四季の代行者を命じられた人間の末裔たちが暮らす場所であり、代行者の育成機関という側面も持っています。もし、その時代の代行者が、与えられた力を何らかの理由で行使できなくなった時、その力は直ちに他の誰かに譲渡されます。その誰かとは、里に暮らす血族の誰か。最もふさわしい人物が、超自然的に選ばれるといいます。その証として、体のどこかに花の形の痣が浮き上がるのだとか。その者こそが、次の代行者となる。
 つまり、代行者とは、なるもの、ではなく、なってしまうもの、と言えるかもしれません。
 生まれながらにそうなのではなく、生きているさなかになってしまうのが、代行者。
 果たして、代行者は神なのか、それとも人なのか。作中世界でも、その定義は難しいお話みたいです。

さてはて、こんな具合でしょうか。あんまり説明してもなぁ、と思いつつ、なんだかんだで長くなってしまったような気がしないでも。
ともあれ、今回のお話が、お話の理解や、物語をより楽しむための材料となってくれれば幸いです。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次